私が華道と関わりを持ったのは大学1年の頃でした。
姉が家の近くで習い始めたのをきっかけに、一緒に習うことになりました。
華道に関して特別な印象もなく、茶道一家で育ったので、いずれは携わるんだろうなーという、うっすらした気持ちしかありませんでした。
軽い気持ちでしたが、習い始めてみると先生の人柄や教室の雰囲気にも恵まれ、とても楽しく習っていた記憶があります。
ご縁があって3回華展に出品させて頂きましたが、その中でもお家元に直接お言葉を頂いたのが貴重な大切な思い出として残っています。
教室で習っていただけでは味わえない、ナマモノを扱う厳しさや会場の場所によって空調を意識して花材を用意したり、展覧会開催中は毎日心配で、まるで子供のお世話と同じくらいの緊張感と慌ただしさがありました。
この華展出品を機に、「華道とは何か」を考えるようになりました。
蕾から未来を感じ、開きだした花に繁茂を想像させ、枯れゆく姿に命の軌跡を想う。
まさに植物の移りゆく姿に美を見いだす生け花。
日本は四季折々で様々なドラマがあり、そのドラマの中で植物との出会いがあります。
植物は根から栄養を吸い上げ、茎を伝い、葉から太陽の恵みを浴びます。その栄養と恵みから、その植物の象徴とも言える花が咲きます。
まさに花は植物の「顔」
エッセンシャルオイルも似たような働きがあります。
エッセンシャルオイルは、花のほかに葉、根、樹液、木や枝、種子など様々な部位から抽出して作られますが、特に花のオイルはとても華やかで、あのクレオパトラも愛したオイルはローズのオイルでした。
エッセンシャルオイルの歴史と、日本の華道の歴史は時代も経路も全く異なりますが、時を越えても花の美というものに対して尊さや誇りを持っている事が興味深いところでもあり、必然とも言えるのではないでしょうか?
これも、華道を続けてきた私がエッセンシャルオイルと出会って感じた、共通するものに対しての想いです。
ローズ、ジャスミン、ネロリ、ラベンダー、マグノリア、ローズマリー、ローマンカモミール、ヘリクリサム、ブルータンジー。花のオイルには気品と気高さ、華やかさがあり、人間にも通ずるところがありますね。
お花を活けていて、花材との調和や美を意識しながら作品を作っていくと、不思議と疲労感よりも楽しさの方が増してくるのは、お花のエネルギーが伝わり、花の香りが脳を伝ってストレス緩和につながっていたからかも知れません。
華道の先生から、「人はお花を見ると男女問わず嫌な気持ちになる人はいないのよ」と言われた事が今でも記憶にあります。
花の香りはそんな効果もあったのかもしれません。
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