茶道との出会いは記憶にないほどに、身近なものでした。
両親が茶道をたしなんでいた事に影響して、小学校の誕生会にはクラスのお友達を自宅に招いては、お茶会もどきをやっていました。
本格的に母の指導から離れて、他の先生に習い始めたのはかなり遅く、社会人になってからでした。毎週のお稽古のほかに母からの指導も並行してありました。
茶道の所作はとても合理的に動きが決まっていて、最初はとても抵抗がありましたが、この味が分かると日常の中にも取り入れる事が多々できたり、違ったものの見方ができたりと、茶道特有の楽しみ方を手に入れる事ができました。
茶道は敷居が高いイメージがありますが、茶室という狭い空間の中にも日常のわずらわしさから離れ、亭主が客を想い、用意した諸道具に季節を感じ、心を落ち着かせニュートラルな気持ちになる。自分軸を取り戻す事は現代にも必要となる空間なのです。
五感を敏感に働かせ、床の間の掛け軸からその日のテーマを見つけ、茶花には野にいるような感覚を覚え、季節にあったお道具や茶菓子に心をなごませます。
「一週変わると季語も変わる」と師匠から教わったことがありますが、たくさんのお茶会へ出向いて、一度も同じお道具や茶菓子に出会ったことはありません。
その日のもてなすお道具や茶室に集まった客との一期一会がまた思い出となり、一碗の茶を通じて心をかよわす空間でもあります
茶室で欠かせないものの一つが、白檀(びゃくだん)の香りではないでしょうか?
利休百首に
風炉(ふろ)の時 炭は菜籠(さいろう)に かね火箸 ぬり香合に 白檀をたけ
という句があります。
お茶の香りを邪魔させず、引き立たせる香りとして白檀が使用されたとされており、茶室に活ける花はなるべく香りが少ないものでないと茶や白檀の香りも脇に追いやられてしまうと考えたのでしょう。
これもあって、茶花は侘助(わびすけ)や山法師(やまぼうし)なとが使われたのだと思われます。
写真(草木図鑑 http://aquiya.skr.jp/index.html)
このように、千利休も香りに関してとても研究していることがわかります。
お香をいれる器を香合といいますが、香合も分厚い懐紙のような敷物の上に置いて床の間に飾っておきます。これも香りに対して大切にしている姿勢が見て取れます。
日本には香道という別の世界があるほど、香りの文化がありますが、茶人にとって白檀は切っても切れない存在であります。
メディカルアロマと出会って、茶道とは全く違った分野での学びをしていますが、その中でサンダルウッド(白檀)との出会いは茶道をしていた頃の私を思い出します。
早朝から着物を着て、茶室に着いてから畳を拭くところからはじまり、客をもてなすための準備をして、いざ客を出迎える時のキリッと引き締まる思いの緊張感が漂った私です。
これがまさにプルースト効果と呼ばれるものですが、こんな所に茶道とアロマが出会ってしまった❗️ 嬉しい瞬間でもありました。
サンダルウッドは日本古来から伝わる茶道の白檀の香りでもありながら、インドではヨガにも使われ、オリエンタル調の木と大地を思わせる香りでもあります。
メディカルアロマですと、主成分サンタロールが心を鎮めリラックスさせてくれ、悩みや怒りを鎮めてくれます。また優れた抗炎症作用を発揮したり肌バランスを整えたります。
まだメディカル的な効果は研究されてはいなかった時代ですが、茶道にも心を鎮める空間の演出に欠かせなかったのはお道具や茶だけではなく、白檀もひと役かっていたのではないでしょうか。
こう考えると、とても楽しくて仕方ありません。
ドテラのメディカルアロマに興味を持って頂ければうれしいです。
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